プルースト効果とは、香りが過去の記憶を呼び戻す現象

私の母は、2003年2月に突然の病(くも膜下出血)で倒れ、九死に一生を得ました。母が倒れて病院に運ばれ、すぐに私たち家族は駆け付けたのですが、助かる確率は20%という病院側からの説明を聞いた時には頭の中が真っ白になりました。
その日の朝、私と母は電話でいつも通りの会話を交わし、その日の夕食は私の家で一緒に食べる約束をしていたのです。

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一寸先は闇

まさに人の未来は、次の瞬間に一体何が起こるのか、誰にもわからないものです。

一寸先は闇 この言葉の意味を思い知らされたできごとでした。

それ以来、母は車いすの生活を余儀なくされましたが、たとえ身体や言語が不自由であっても、この世に生きていてくれるというだけで、たいへんありがたいものです。
現在は、車で15分ほどの介護施設にお世話になっていますので、私は休日には愛犬を連れてホームを訪れています。

ラベンダーの香りが呼び起こす記憶

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さて、ホームの母の部屋にはアロマ・ディフューザーを置いてあり、私が行くたびに精油を持参して、アロマを焚いています。

冬は風邪の予防にと、レモン、ティートリー、カユプテ、ユーカリなどを。

春はお花の香りを楽しめるように、ネロリ、ゼラニウム、プチグレインなど。

夏は気分がサッパリするように柑橘系や、虫よけにもなるシトロネラやレモングラスなどを。

今日は、ウィルス対策を兼ねて爽やかな香りのラベンダーとティートゥリーにしました。

プルースト効果

ラベンダーの香りがすると、私も母も同じように、信州で訪れたラベンダーの丘 夢農場 を思い出します。
そこで私と母と、まだ幼かった私の娘とラベンダーを摘んだことや、日差しが強くて汗をたくさんかいたことなど、様々な記憶がよみがえります。

このように、嗅覚への刺激が過去の記憶を呼び起こす現象を心理学では「プルースト効果(プルースト現象)」といいます(フランスのマルセル・プルースト氏の著作『失われた時を求めて』から命名)。

たとえば、通りすがりの人から香るコロンから、過去の恋人のことを思い出したり、台所でクッキーが焼ける匂いがしてくると、子どもの頃の家の中の情景が浮かんできたりします。

ラベンダー畑

このプルースト効果をうまく利用することで、落ち込んだ気分を引き上げることができるのです。

  •  お友達と仲良く食べたチョコレートやアイスクリームの香り
  •  恋人からプレゼントされたお花の香り
  •  旅行先の朝食で家族と食べた新鮮なフルーツの香り などなど。

私はチュロスやポップコーンの香ばしい匂いから、娘が幼い頃に頻繁に通ったディズニーランド(当時は近所に住んでいましたので)を思い出します。楽しそうな娘の顔や、その時に観たショーや流れていた音楽などの記憶もよみがえってきます。

アロマテラピーでもプルースト効果を

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さて、精油を利用すれば無意識のうちに香りから記憶を呼び戻して、ネガティブになっていた心を前向きにすることができます。普段から、気分の良い時に同じ精油の香りを楽しんでおき、自分の「身近でお気に入りの楽しい香り」という条件づけをしておきます。ご自身が1番ほっとする香りを選ぶとよいでしょう。

ちょっと落ち込んだことがあっても、その精油の香りを嗅ぐことで自分自身を元気づけて前向きにしてくれること、間違いなしです。

私のカウンセリングルームでも、毎回必ずアロマを焚いています。事前にお知らせいただくクライエントさんのご相談内容から、4~5種類の精油をチョイスしています。カウンセリングを始める前はどのクライエントさまも緊張していますので、リラックスしていただきたい、ということももちろんですが、いつかどこかで同じ香りに遭遇した時に、カウンセリングで気持ちが楽になった時のことを思い出していただきたいと願っています。

 

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