人の視線が気になる不安「視線恐怖」

私がカウンセラーを始めて間もない頃にカウンセリングにいらしたMさん。
とても遠慮がちに、伏し目がちにお話をされるかたでした。

dark

私はメンタルがとても弱く、いつも周りからの視線を気にしてしまいます。学生のときは授業中に『誰かに変なふうに見られていないか』といつも気になっていました。

社会人になってからは、電車に乗っていても見知らぬ人の視線が気になりますし、仕事中でも誰かに見られているかと思うと緊張してキーボードをたたく手が震えてしまうことがあります。

そして、特に男性から話しかけられると、緊張してしまい、動揺しておどおどしてしまうため、好意をいだいた人ともまともに話ができません。

家族と一緒にいる時にはそういうことはないのですが、家の外では常に緊張し、視線が気になってしまいます。こんな自分がとても嫌で、いつも自己嫌悪に陥ってしまいます。

視線恐怖(社会不安障害)とは

Mさんのような症状は、社会不安障害の中でも「視線恐怖」というものです。

視線恐怖には二つのパターンがあります。

ひとつは、人が自分に注目していて何かうわさをしている気がする、とか、自分の行動をじーっと観察されているような気がして落ち着かない、というように、他人の視線が怖いパターン。

もうひとつは自分が相手に対していやな感じを与えてしまうような視線を送っているのではないか、ということを恐れるパターンです。

きっかけとなったことやその時期

さて、Mさんにずっと小さい頃からそうでしたか?と尋ねたところ、しばらく考えてから、

「小学生の頃はどちらかといえば、クラスの中心になって行事を仕切ったりして、目立つ子どもでした。中学の時にも、生徒会の役員をしたりして、活発でした。・・・多分、高校生の頃から徐々に目立たないようにしよう、という意識が出てきて、自分でも性格が変わったような感じがありました。」との返答でした。

高校生の時に、何かきっかけとなるような出来事があったのでしょうか?

高校生

思春期の頃というのは、異性の存在が気になったり、大人と子どもの間を行ったり来たりする、たいへん心が揺れ動く時期です。そしてまだ、しっかりと根をはった強い心を持ち合わせていないために、些細なことで傷ついたりするガラスのように繊細な時期でもあります。
Mさんは、特に何かあったという記憶はないとおっしゃいましたので、大きな出来事はなかったかわりに、小さな傷つきをたくさん抱えてしまったのかな、と私は思ったのでした。
知らず知らずのうちに、「また傷ついたらイヤだから」と、無意識のうちにガードしてしまったのかもしれません。または、思い出したくないという意識が働いて、きっかけとなった出来事を、潜在意識の奥底にしまいこんだのかもしれません。

思い込みからくる不安

Mさんのように、「誰かに見られているような気がする」というのは、「気がする」というだけのことであって、「誰かに見られている」と断言できるようことではありません。
つまり、勝手な「思い込み」からくることがとても多いのですね。
そして、誰かに見られているような気がして「怖い」ために、たとえ目が合ったとしても自ら視線を逸らしてしまうのです。ですから、たとえ相手の方が温かいまなざしでMさんを見ていたとしても、Mさんはそれを感じることができません。
また、相手の方も、Mさんに目を合わせてもらえなかったという残念な気持ちを抱き、関係性が近づけないのです。

また、Mさんが考えているほど、人は他人のことを気にしていないし見てもいないものです。Mさんが「自分が見られている」と思い込むほど、人からの視線が強く感じられてしまうでしょう。

不安から解放されるためのポイントとは

ユーカリ

Mさんには、次回までに「鏡を見て自分の目を見て微笑むこと」「鏡の中の自分に手を振ること」を少しずつやってみてください、とお話しました。
これは、緊張感を和らげるのにとても役に立ちます。顔が緊張していると対人関係もうまくいきません。ニコニコして表情がやわらかくなると、自然に緊張感がとれていきます。

そして2回目の面談時には「なるべく自分からあいさつをしましょう。そしてできれば、挨拶の時に、鏡の前で練習したように微笑んでみましょう。」という宿題を出しました。

緊張感が取れてくると、気持ちにも余裕が出てきます。また、思い出した時で良いので、自分の中で次の2つの呪文を唱えるようにお話をしました。

自分に唱えるたった2つの呪文とは

私は大丈夫。I’m O.K!
私は人のことを気にしないし、人も私のことを気にしていない。

自分をダメと思えば自信が無くなり、自分のカラに閉じこもりたくなります。
でも、自分は大丈夫、と思えば気持ちが外に向かいます。

Mさんは月に1回、全部で5回のカウンセリングを受けられましたが、5回目の面談時にはしっかりと私の目を見てお話をしてくださいました。
「今でも完全に人の視線が気にならなくなったというわけではないのですが、自分からあいさつをするようにしたら、職場の人たちとも目を合わせて話ができるようになりましたし、『怖い』という感覚はなくなったような気がします。」

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