ゲートキーパーをご存知ですか?

ゲートキーパーとは

暗闇

「命の門番」とも位置付けられているゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づいて声をかけたり話を聴いてあげたりして、必要なサポートや対応を図り、見守っていく人のことです。

日本では、毎年約3万人もの大切な命が自らの手によって絶たれているという悲しい現実があります。そして主要国の中でも日本はロシアに次いで自殺者の多い国であることをご存知でしょうか。また、中高年の自殺者は減少傾向にある一方で若者の自殺者数は増加しているというのも事実なのです。

先日も岩手で中学生がいじめを苦にして自殺を図るという痛ましい事件が起きました。この報道でもわかるように、自殺をする人は生前に、「死んでしまいたい」思いや「苦しい」気持ちを周りの人たちに発信しているのです。にもかかわらず、周囲の大人が適切な対応策をとらず、いわば「傍観」していたために、尊い命を守ることができなかったのです。友人にも死にたいと漏らしていたようですが、子どもがこのような思いを受け止めきれるものではありません。やはり周囲の大人がその思いをしっかりと受け止めてあげることができていたら、と残念でなりません。

このように、「死にたい」という気持ちを抱えている人がそのシグナルを発した時に、その人に寄り添い、適切なかかわりを通じてサポートしていく役割を担うのが「ゲートキーパー」なのです。

あなたもゲートキーパーに

それでは、どのような人がゲートキーパーになれるのでしょうか。
ゲートキーパーとして期待されるのは、公共機関に設けられている各種相談窓口の担当者はもちろんのこと、教職員、医師、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員など、関連機関のあらゆる人たちです。
けれど、このような専門性を持ち合わせていなくても、人を支援したい、手助けをしたい、という気持ちのある人であれば、誰でもゲートキーパーの役割を担うことができます。

自殺の背景は・・・

海

ほとんどの場合は、健康問題(病気や障害など)、社会的・経済的問題(失業・倒産、多額の借金、長時間労働、職場・学校・家庭の問題など)の様々な悩みを抱え、心理的に追い込まれた結果なのです。

また、「死にたい」と考えている人はその反面、「もっと生きたい」という気持ちを持ち合わせていて、その双方の心の葛藤が起こっているのです。そしてその葛藤のはざまで何かしらのシグナルを発しているのです。そのシグナルにいち早く気づき、思いを聴いてあげ、その人を支え、自死を防ぐことができれば尊い命を失わずに済むのです。自死によって大切な命が失われ、さらにはその人を取り巻く周りの人々も深く心の傷を負うのですから何としてもこれを食い止めなければなりません。

また、うつ病が自殺の原因になり得ることもよく知られています。うつ病の時には何もする気が起きずにいるのですが、良くなり始めると行動する力が出てきますので、自殺を決行する力もわいてくる、ということなのです。このように、うつ病が良くなり始める時が特に危険ですので注意が必要です。

自殺前のシグナルとは

「死にたい」と思い詰めている人は、精神的に追い込まれているのですから、日常の様子がいつもと違うことに気づくことが多いと思います。

  •   ふさぎ込んでいて元気がない
  •   良く眠れていない様子(目がうつろ、疲労感のある顔つきなど)
  •   あまり話さなくなった
  •   ため息が増えた
  •   食事量が減った(食べたがらない、食事が苦痛そうに見える、痩せてきた、など)

「死にたい」という人に対しては

ハロー効果

「死にたい」「生きているのがしんどい」「どこかへ消えてしまいたい」
突然このように言われたら、たいていの人はびっくりし、慌てて引き留めようとするでしょう。

  生きていればきっと良いことがあるよ
  親からもらった大切な命だよ
  命を粗末にしてはいけないよ
  しっかりしなきゃダメよ

もちろん、その人に死んでほしくないという気持ちが強いために、このような言葉がとっさに出てくるのです。けれど、その人はもちろん、命を粗末にしてはいけないことや、生きていたらこの先どんなことが起こるのかわからないということを十分に承知しているのです。それでもなお、生きているのが辛くて「死にたい」と思っているのです。

ですから、「死にたい」「生きていることがつらい」という、その気持ちを聴いてあげ、受け止めてあげましょう。自殺したい、という気持ちを受け止めるということは、死にたいという辛い思いを否定したり、自殺を肯定して推奨することとは違います。

  どうしたの?
  何があったの?
  ちゃんと眠れている?
  よかったら、話してみて

私はあなたの味方だから安心して話してね、という思いを伝えてあげてください。そして、否定せず、評価せず、話を聴いて手を差し伸べてあげましょう。

そして、自分だけでは抱えきれない、受け止めきれない、という場合には、一緒に専門機関に相談しに行くことも考えましょう。特に、心の病気を抱えている場合には、早い時期に受診することが大切です。

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